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2020/10/27

今こそプログレ者に聴いて欲しい「赤い公園」

エディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなったショックが思いのほか尾を引いていて、自分で驚いていたんですが、その矢先に更なる衝撃が。

「赤い公園」の津野米咲(つの まいさ)が急逝。享年29歳。

これは、本当にガックリ来ました。

ブログに書くつもりはなかったんだけど、気持ちに折り合いをつけとかないと、いつまでも引きずりそうなので書くことにします。

語る会(2013年)

時は2013年。
ボクは、とあるプログレ関連のイベントに参加しました。

このブログにちょいちょい出て来る「プログレの師匠」が、そのイベントの運営に関わっていて、お誘いを受けたのでした。

イベントの内容は、いにしえのレコードコンサート的なもので、それ用にボクが最初にチョイスしたのが以下の3曲。

●飾り窓の出来事 Part2 / MANDRAKE
 ("Unreleased Materials Vol.1")

●Il bandito del deserto / Area
 ("1978 Gli Dei Se Ne Vanno, Gli Arrabbiati Restano!")

●Introduction ~宇宙の創造物 / SUPER JUNKY MONKEY
 ("地球寄生人")

一応、説明しておくと、マンドレイクは、P-MODELの前身のプログレバンド。
この「飾り窓の出来事Part2」は、「これをプログレと呼ばずして何をプログレと呼ぶのか」と言うくらいプログレプログレした曲。(くどい)

アレアは…まぁいいか。
みんな大好き!イタリア最高峰のジャズロック・プログレバンド。
「これをプログレと呼ばずして何をプログレと(ry

スーパー・ジャンキー・モンキーは、ハードコア・バンドだけど、アルバムの1曲目を飾るこの曲は「プログレ度」が高くて「これをプログレと呼ばずして何をプ(ry

この中で、SUPER JUNKY MONKEY の曲は、やや飛び道具的ではあるものの、それはジャンル的な乖離による違和感の部分だけの話。
この “Introduction” と言うチョイス自体は、「ね?聴けばわかるよね?皆さんなら」と言う、ある種、破綻を嫌った日和見な選曲だったわけです。

でも、ここはやはり、もっと飛び道具的な1発が欲しい。

これはオレ的にプログレ
あんたがどう思うかなんて知らんわ
オレがプログレと思ったら、それはプログレ

そう言う1曲を追加したい。

邂逅

で、その頃、YouTube で何故かボクへのお薦めとして頻繁に上がってきたのが、この「赤い公園」でした。

赤い公園 - 交信

レトリックに富みまくった歌詞。
四人囃子の「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」のアンサーソングであるかのような内容。
間に挿入される「いかにもプログレっぽい」慣用表現のinterlude。
(しかも、そのフックを1回しか出さない潔さ!)
しかし何にも増して、曲全体に通底する「老獪で極めて習熟度の高い」ソングライティングのスキル。
個人的には、脳内で小川美潮さんの声に変換されて聴こえる楽曲です。
(あ、一応書いておきますが、現・チアキ、佐藤千明さんのVo.も最the高に高級である事に異論はありません)

師匠に、最後の1曲として追加を依頼したところ、いたく気に入っていただけて「今回、このイベントに因んだ収穫ですわ」とのお言葉を頂戴しました。

そして、この時点で、すでに、2020年のこの時を予見するようなボクと師匠の会話がありました。
(もっとも、これは、赤い公園を知る人であれば、皆さん、心のどこかで常に心配に思う部分ではあったろうと思われ)

あ、それと、さっきからプログレプログレ言うとりますが、津野さんが、この「交信」で「プログレっぽいものを作ろう」としたとは、思ってはいません。

でも、

「これをプログレと呼ばずして何をプログレと呼ぶのか」

「これをプログレと呼ばずして何をプログレと呼ぶのか!」

その当時、他にお薦めに上がってきたのが、これ。

赤い公園 - 今更

今どきこんな事書くと、ポリコレ警察が飛んできそうだけど、これらの曲を聴いた時の当時の気持ちを敢えて書くと、

「(曲を書いた時点で)20歳にも満たない女の子が、何でこんな曲を紡ぐ事ができるのよ。この楽曲の老獪、老練さ加減は50代、60代の大家の物でしょ、どう考えても」

でしたね。

素人ながら曲を書いたりする人間の1人として、ボクは心底、この津野米咲と言う人の才能に嫉妬したのでした。

老獪萌え

ボクの中で「老獪萌え」補正ってのが、あるんです。

「若いのに、こんなジジイみたいなプレイ(音楽的な意味で)するなんて!もー!(泣)」ってのに弱いんだよね。

ボクが、その気持ちを人に説明する時に使う、この「老獪萌え」と言う言葉を最初に考え付いたのは、赤い公園に対してでした。
そして、ボクにとって「元祖・老獪萌え」バンドと言えるのが、SUPER JUNKY MONKEY です。

SUPER JUNKY MONKEY は、今どきこんな事書くと、ポリコレ警察が飛んできそうだけど(2回目)、当時思ったのは、

「(当時)20歳過ぎくらいの女の子が、何でこんな老獪な卓抜たる演奏ができるのよ。今30代以上の男の演奏でしょ、これ」

でした。
(マキシマムザホルモンの上ちゃんもインタビューで似たような事を言っていた)

赤い公園は、メンバー全員のスキルの高さとバランス、わちゃわちゃ感を含めて、ボクにとっては、SUPER JUNKY MONKEY を彷彿とさせる部分があります。

事実、津野さんとベースの藤本ひかりさんは、スージャンに言及してますね。

(津野さんの選曲:何 / SUPER JUNKY MONKEY)※web.archiveから

(津野さんの選曲:あいえとう/A・I・E・T・O・H / SUPER JUNKY MONKEY)※web.archiveから

これを知った時は非常に嬉しかった。

そして、だからこそ悔しい。

SUPER JUNKY MONKEY は、中心人物であるヴォーカルの MUTSUMI が1999年に亡くなり、以降は解散こそしていないものの、数年おきの復活ライブ以外は目立った活動はしていません。

津野さん、そんなところまで合わせなくてもよかったのに…。

曲を聴くたびに得られた、あの新鮮な驚きが、もう得られなくなるのか、と思うと本当に残念です。

赤い公園 - NOW ON AIR

実は「交信」の次くらいに、この曲が好きだったりする。

赤い公園「KOIKI」MUSIC VIDEO

赤い公園「黄色い花」Music Video

赤い公園 - 「journey」 Music Video

赤い公園「Highway Cabriolet」Music Video

PassCode - 一か八か (Zepp Tour 2019 at Zepp Osaka Bayside)

師匠は気に入ってなかったようだけど、他の人に提供した楽曲では、これが一番好きかも。
今田夢菜のグロウル/スクリーム、ライブでこのクオリティは凄い。

赤い公園 「絶対零度」Music Video

この曲も凄いと思ったなぁ。
この「絶対零度」に関しては、この夏、師匠とこんな話をしていました。

そのフックの1つ1つはキャッチーだったりするのに、どこもかしこも、一ひねり二ひねりしてあって、もー(泣)。
その姿勢、プログレにしてパンク!
そして、津野米咲のメンタルが心配w
「こんな試合を続けていたら、10年持つ身体が3年、4年しか持たないかもしれない」(byアントニオ猪木)

そして、以下は、公式チャンネル最後の2曲…。

赤い公園「pray」Music Video

赤い公園「オレンジ」Music Video

 

そして、今一度、この曲を。

赤い公園 - 交信

これはオレ的にプログレ
あんたがどう思うかなんて知らんわ
オレがプログレと思ったら、それはプログレ

「これをプログレと呼ばずして何をプログレと呼ぶのか!」

不世出の天才・津野米咲
R.I.P.

<追記>
ゆうパラのリンクが切れていたので、Internet Archive のリンクで貼り直しました。
ついでに公式チャンネルの最後の2曲を追加。
それにしても「オレンジ」のPV数、ゼロ1個、足りなくね?
(いや、どの動画もなんだけどさ…)

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コメント

はじめまして。

私は2016年に初めて、
「赤い公園」の存在を知りました。
「交信」で泣いた50代後半の男です。

10月7日にNHK・FMにて、
津野さんの「こいきなポップロックパラダイス」を、
車中のラジオにて聴いていた時に、
11月にリリースする予定のドラマで使われている新曲「pray」を流してくれたけど、
これも何だか知らないけど、ジーンときて涙が出てきた。
同時に何だか知らないけど、目が痛くなって、
瞼が開けられなくなり、運転できなくなり、
車を道路脇に停止させました。
目が痛くなる経験は初めてだったな。

津野さんは、同番組で、この曲に関して、
「自分で作っている感じがしなくて、何かが降りてきて、作らされた感じがある。」
と述懐していたけれど。

それから何日も経たないうちに、
突然の訃報を聞いたときは、
かなりショックでした。

ご冥福をお祈りいたします。

突然、失礼いたしました。

toriodenさん
コメントありがとうございます!
EL&P図書室の管理人さんですね。
いつも拝見しております。同年代です。

私も、アーティストが亡くなって、ここまで長く引きずるのは初めてでして。
今も頭の中で鳴っているんです、「交信」が…。

津野米咲は、クリエーター・タイプのギタリスト、
すなわち、ジミー・ペイジ、トッド・ラングレン、
ロバート・フリップ、フランク・ザッパ、
アンディ・パートリッジ、などと同じ、
優秀な音楽家が自分の音楽を一番上手く表現
出来る楽器としてギターを弾いている、
というタイプのギタリストだと思います。

自分は、最近の日本のギタリストはあまり
知りませんが、過去を含めても、日本では
貴重なタイプのギタリストだと思います。

日本の宝を失った喪失感がしばらく続きそうです。

磯子の石ちゃんさん
コメントありがとうございます!

>ジミー・ペイジ、トッド・ラングレン、ロバート・フリップ、フランク・ザッパ、アンディ・パートリッジ

これらの先達と並び称する人がいてくれて嬉しく思います。

「日本の宝を失った喪失感」
本当にそう思います。
この投稿を書いた事で、だいぶ落ち着いた(と言うか、それを期待して書いた)んですが、先日、メンバーのツイート(石野理子ちゃんへの、おたおめツイート)を見て、またぶり返しました。

お返事ありがとうございました。

事後報告すいません。
勝手ながら、Facebookグループで当ブログ記事を
シェアさせていただきました。
ボチボチですが、いいね!やコメントを頂いています。

https://www.facebook.com/groups/523115344416599/permalink/3661858330542269/

https://m.facebook.com/groups/1570645256537597/permalink/2800023920266385/

磯子の石ちゃんさん

シェアありがとうございます!

いきなり Facebook からのアクセスが増えたので「?」状態でしたが、そう言う事でしたか。
ありがたいです。

プログレ経由でも何でもいいので、今まで聴いてなかった人が聴くキッカケになってくれたら幸甚です。

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